ラスト(木型)が同じでもサイズ感が同じとは限らない?『スミス・エバンス効果』の怪
このブログは特にカテゴリーを決めているわけではないが、現在のところ靴の紹介ブログとなっている。
これは自分が靴が好きなことはもちろん、この大通販時代にサイズ感等の情報を求めている方の役に立てるのではないかと思ったからだ。
だから立て続けに何足か、そしてスニーカーを混ぜてみたりした。
殊勝でしょ?
でも現在のところ当然ながらアクセスが少ないので全く世間の役には立っていない。
しかしめげずに今日もこのまま靴について触れていきたいと思う。
スミス・エバンス効果
今回の話は、『役に立ちたいから情報を提供している』その情報の意味を自ら否定するような内容になる。。。がぜひ共有したいものだ。
一般的な感覚として、同じラストから作成された靴は同じ大きさだろうと考えるのが自然だ。
しかし実際はそうではない。
同じラストでもモデルによりサイズ感が異なることの顕著なエピソードが『スミス・エバンス効果』だ。
僕も何度か同じラストなのにサイズ感が違うと感じる経験をして辿り着いた。
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『スミス・エバンス効果』
国際標準化機構(ISO)が国際的なサイズの標準化を図り、種々の実験を行った。
実験の一環として、スミス夫人とエバンス夫人にあるデザインの靴を履いてもらったところ、スミス夫人は5、エバンス夫人は5/がフィットした。
次に同じ木型のデザインが異なる靴を履いてもらったところ、今度はスミス夫人が5/、エバンス夫人が5が最もフィットした。
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単純にサイズ感が上下するのではなく、入れ替わる、という点が興味深い。
靴のサイズ感はそれだけ繊細な条件の積み重ねで成り立っているのだろう。
表記サイズはあくまで参考値だ。
先入観を捨てて、履いたときの感覚を信用するべきだ。
…今日の主題はここまで、この先は蛇足。
靴は試着しなければ分からない…あれ?試着しても分からない…?
ということで、靴のサイズ選びは感覚が大事だよ、というエピソードを紹介したが、試着しなければ分からないのは当然として、試着したからと言って常に正しいサイズを選べるかというとそんなことはない。
履いているうちにサイズ感は変わるし、試着環境と使用環境が著しく異なるし。
グッドイヤーの靴何てサイズ選びの観点から見たら欠陥商品もいいところだ。
となれば逆説的にもう通販でえいやで買っちゃっても一緒ちゃう?という気持ちになったり(ならなかったり)する。
必ず正解しなければならない、という考えを捨てる
吟味すれば、熟考すれば、必ず正解に当たるというものではない。
そしてその成否の判断には時の経過を要する。
失敗も重要な経験なのだ。
スミスさんも両方の靴を5年履きこんだら、「あら?どっちも4/が丁度だったんだわ!」ってなったりしてね。
レディースでそれはないか…