高級靴のコストパフォーマンス
よく論じられる高い靴のコストパフォーマンスについて私見を述べたい。
いつかのどっかの国王だか王子だか貴族だかの紳士が「私は安物の靴を履くほど裕福ではない」と言ったとか言わなかったとかのエピソードがあるが、その人が裕福であることは間違いない。
こういう入り方でもはや今回のスタンスは明確だが、高級靴は絶対にコストパフォーマンスは悪いよ。
1万円の靴を3足ローテで2年で総入れ替えして…と、5万円の靴を3足ローテで3年でオールソールして…とを計算して比較する論調も散見されるが、そういう問題ではない。
高級靴を所有する最大のデメリットは『靴に興味を持ってしまうこと』だ。
ここではあえてデメリットと言い切ろう。
興味を持ってしまったあなたは、必ず必要最低限以上の靴を購入することになる。
5万円の靴を一足余分に購入した時点で必死に算出したコストは吹き飛ぶことだろう。
あのデザインの靴も欲しい…
雨用の靴が必要だ…
もっとフィット感がよい靴もあるんじゃないだろうか…
えっ、この靴がこの値段で!…
二度と手に入らないかもしれないから2足買っておこう…(病気)
※自分への戒めです。
趣味の世界であることを受け入れる。
靴は実用品からスタートして、どこかで嗜好品に切り替わっている。
このことが(一時期)趣味の世界であることから目をそらすギャップを生んでいる。
だからコストパフォーマンスの高低といったズレた議論が起こる。
しかし、勇気をもって受け入れるのだ!
必要だから買うんじゃない、好きだから買うのだと。
わけわからん骨董品を買うのと同じだ。(骨董品を否定してないよ。)
精神的に充足感を得られるから購入するに過ぎない。
決して一流ホテルで足元を見られるから、とか言い訳してはいけない。
滅多にないそんなシチュエーションでさえ、(手入された)2万円の靴で全く問題ないのだから。
靴嗜好は素晴らしい趣味
靴への興味はコストパフォーマンス視点においてはデメリットと断じたが、そこから離れれば話は別だ。
見て楽しみ、履いて楽しみ、磨いて楽しむ。
嗚呼、なんて素晴らしい趣味。
このブログもいつの間にか、そして必然的に靴への嗜好を隠さなくなってきた。
(最初から隠していないか)
結論:高級靴はコストパフォーマンスを気にして購入するものではない。
そして…こんなテーマが気になっている時点であなたは既に引き返せない。
※靴好き諸兄にはお目汚し失礼いたしました。