靴界における答えのない議論④ ~シューキーパーは入れっぱなしで大丈夫か?~
答えのない議論に答えを用意せずに挑むという無謀な企画第4弾。
今回はシューキーパーは入れっぱなしで大丈夫かどうか、という議論について。
論点
一体何が問題なのか。
シューキーパーを入れっぱなしにしていると、圧力が掛かり続けることになり、そうなるとキーパーの形に靴が変形してしまう、ということだ。
これはね~難しい問題だよ。
僕も経験がある。
ギチギチのキーパーを入れていて、久々に履いたら「あれ?なんか緩くなったんじゃないか?」って感じたことが。
でもさ、久々に履いたことを踏まえれば履き心地の変動要因はキーパー以外にもあるんだよね。
自分の足が痩せたりした可能性もあるし、そもそも感覚の話なので記憶違いとかね。
でも、誰かがキーパーが理由で履き心地が変わった、と主張すれば、それも否定しきれないのは事実。
こうして答えのない議論として認定されていくのだ。
踵の変形
と言いながら、確実にキーパーにより変形する部分がある。
踵の芯材だ。
ただし、芯材の強度に変形の大小が顕著に影響を受ける。
イタリア系マッケイはアッパーの革も芯材も柔らかいことが多く、長期間きついキーパーを入れっぱなしにしているとキーパーの形に踵が変形していることも多々ある。(履けばまた変形するのだが…)
一方、イギリス系グッドイヤーは革も芯材も作りも強固で、同様の変形は見られない。
ネジ式シューキーパー
ではそういう貧弱な作り(決して否定する意図はありません)の靴はどうすれば良いのか。
サイズ感がピッタリで圧力が強くもなく、弱くもないキーパーが見つかれば良いのだが…既製品ではなかなか難しい。
しかしその甲と踵への圧力に関しては『ピッタリ』を作り出せるキーパーが存在する。
それがネジ式シューキーパーだ。
ネジ式は長さを固定できるので、不必要な圧力を掛けずに済むのだ。
こういうの↓
導き出される結論
以上の流れで話を進めると、ネジ式が素晴らしい、全てネジ式でいいじゃないかという結論に至る。
恐らく、それは間違いではないと思う。
しかし世の中はバネ式が中心だ。ネジ式なんて本当にネジ式がどうしても欲しくて探さないと目にすることすらない。
バネ式が中心なのは高級メーカーの純正ツリーでも変わらない。
…ということは、だ。
メーカーも基本バネ式の圧力に問題はないと考えているということだ。
個人的見解
ということで個人的には入れっぱなしで問題ないと考えている。
ただ、踵の芯材が柔らかい靴は1週間程度で踵側だけ外す。
むしろグッドイヤーのものも同様に長く使用しない場合は踵側だけ外す。
あれ?問題ないと考えてるのに何か変だな。。。
いや、半年単位で入れっぱなしにするのは逆にメリットが思いつかないからね!