thekanの靴ブログ

最近開き直って『靴』ブログに名前変えました。

靴界における答えのない議論⑤クリーナー編

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答えのない議論に答えを用意しないで臨む無謀な企画第5弾。

折角コメント頂戴したんで、今回はクリーナーについて。

クリーナーは要?不要?

 

 靴手入れにおいてクリーナー工程は必要なのか?

この問題もたま~に議論になっているね。

これから考察を深めていくのにいきなり水を差すが、同じ条件でクリーナーを使い続けた靴とクリーナーを使わなかった靴の比較ができない以上、いくら考えても正確な答えを出すことはできないはずだ。

それが例えメーカーであってもね。

でも、いつものように正解を求めずに進もう。

それが同じ趣味を持つ者同士のコミュニケーションってもんだろう。

 

靴の汚れって?

『クリーナー=汚れ落とし』だが、靴の汚れって一体何だろうか?

何かこぼしたり、雨シミだったり、という特殊な状況を除いてはイコール古い靴クリームだと理解している。

その前提でこの先の話を進めていきたい。

 

クリーナーの目的

モウブレイのステインリムーバーが代表的であるが、各社から製品が出されている。

 

※アマゾンだと定期お得便で買える…これを定期便で買う人数ってどれくらいいるんだろうか…
 なお、ステインリムーバーは大きいサイズが圧倒的に得なので、購入時には参考に。

 

違いは効果の強弱だったり、汚れ落とし+αの効果だったり、といったところだ。

同一メーカーから複数の商品が出ていることも珍しくない。

 

何故各社がクリーナーを用意するかと言えば…

・古いクリームを除去してから新しいクリームを塗布しないと浸透が妨げられる

・古いクリームの蝋分が表面に溜まり続けると硬化して屈曲部分で割れて革を傷つけ、ひび割れに繋がる

という理由のためだ。

そうだよね?

 

議論のポイント

「ん?あるんだから使っときゃいいんじゃないの?」という声も聞こえてきそうではあるが、コトはそう単純ではない。

クリーナーは革にダメージを与えるのだ。

これは事実で、クリーナーで強く、何度もこすると剥げる。

そしてクリーニング効果の高さと革へのダメージは比例している(らしい)のだ。

だから、使う必要あるの?という議論が出てくる。

メーカーが商品を用意している以上必要だろうという意見も想定できるが、メーカーは『必要そうな匂い』がする場所には積極的に商品をぶつけてくる。

商機だからだ。

商品が用意されていることが直ちに必要性の証明にはならないと思う。

 

各派閥の意見

この問題に対する派閥はおそらく3つだろう。

・クリーナー肯定派

・クリーナー不要派(穏健派)

・クリーナー不要派(過激派)

 

・クリーナー肯定派

古い靴クリームは取り除かなければいけないし、手入れの最初にスッピン状態にしなければその後の手入れで使用するクリーム類が浸透しなくなる。毎回弱いクリーナーを使用し、半年に一度は強いクリーナーで完全スッピンにすべき。

 

・クリーナー不要派(穏健派)

古いクリームは取り除いた方がいいが、新しいクリームを塗布する際に自然と古いクリームは取り除かれる。だから普段の手入れでクリーナーは不要。(クリーナー効果は靴クリームで賄える)

 

・クリーナー不要派(過激派)

古い靴クリームを取り除く?革はそんなにやわじゃねえよ。もっと肩の力を抜けよ。

 

各派閥の主張はこんな感じかな?(適当)

 

個人的見解

個人的な立場はクリーナー不要派(穏健派)だ。

前述のとおり『靴の汚れ=古い靴クリーム』だという前提で進めている。

だったら、クリーナーを使わなくても靴クリームを塗れば古い靴クリームが取れていることはすぐに解るよね。

ピンと来ない方は色付きクリームを塗った靴にニュートラルのクリームを塗ってみればいい。

こと靴クリームに関してはクリーナーと靴クリームで除去能力に差があるようには感じない。塗布後の布を見る限りは。

さらに言えば濡らして固く絞った布で水ぶきであってもそこそこ除去できる。

こういった経験から水ぶき→乳化性クリームで充分な効果があると考えている。

 

ブラシで塗布する場合に古いクリームは除去できるのか

上述のような考え方をする際にふと気になるのが、ブラシでクリームを塗布している場合に、古いクリームを除去できるのだろうか、という疑問だ。

布でぬればその効果は一目両全ではあるが…

しかし新品のブラシを色付きクリームで手入れしている靴にニュートラルクリームを塗るのに使用すると、しっかりとブラシに色移りする。

だから、まあ、ブラシで塗布する場合でも古いクリームは除去できていると考えらえるだろう。

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普段の仕上げにより要不要は分かれる

僕の意見はあくまで僕の仕上げに対して、である。

僕は通常の乳化性クリームまでしか使用しない。

固形ワックスを用いて鏡面仕上げをするような場合、ワックスは毎回しっかりと落とす必要があるだろう。

そうすると強いクリーナーが必要になる。

逆に蝋分が少ないクリーム、例えばデリケートクリームのみで手入れをしている場合、過激派のクリーナーなんかまったく不要だよ的意見も理解できる。

 

今回はこんな感じ。

 

でも実は…

このブログを読んでくれている方は今回の僕の持論を見て疑問をもったかもしれない。

何故なら僕はクリーナーを使用しているから!(爆)

好んで使用しているのはタピールのレーダーオイル。

僕は靴手入れが好きなので、工程を減らしたいとは全く思わないんだよね。

だから要不要はあんまり重要ではない。

それでも不要かもしれない工程で靴にダメージは与えたくないから、革に優しそう、というポイントは気にしているよ。

 

※レーダーオイル紹介記事

thekan.hateblo.jp